技工士のブログ
石膏注入エラーとポイント
こんにちは。
義歯部の加藤明です。
本日は石膏注入についてです。
歯科医院にて石膏注入していただいた模型がラボサイドに届き、技工作業をするのですが、模型材の不備による補綴物の適合不良や模型破損が多くあります。
そこで今回はラボサイドで露見する石膏注入エラーやポイントを紹介させていただきます。
①2度注ぎ
チェアサイドの石膏注入方法に2度注ぎがあります。
これは、石膏の自重によって印象材が変形する事を考慮してのものだと思われます。
チェアサイドでは問題のない模型です。
しかしラボサイドではマウントや材料の操作上、吸水や加圧釜重合などの操作が行われます。
この際に2度注ぎの境界面で分離してしまうことがあり、完成技工物の適合に大きな影響を及ぼします。
模型用フォーマーを用いて一度で注ぐことをお勧めします。
②手練和による気泡
一見綺麗に見える模型ですが、手練和で製作した模型は細かい気泡が多いです。
補綴物の材料を模型上で硬化させる際、模型の気泡(凹部)に材料が侵入します。
義歯だと粘膜面側に凸状の気泡が多量に出ることになり、全てを研磨で慣らすと真空練和の模型よりも適合が落ちてしまいます。
真空練和機のご使用をお勧めします。
③ボクシング不足
義歯の精密印象体はボーダー部分をそのまま再現して完成させる必要がある為、ボクシングをして石膏注入します。
しかし、ボクシング材がない事や不足していることが多く、ボーダー部分の模型が不足していたり、破損していることが多いです。
修正することも難しく、再印象になる可能性もあります。
ボーダー部分はモデルブロックなどを用いてボクシングして製作される事をお勧めします。
④ラボサイドでの模型製作もおススメ
シリコン印象は変形量も少ない為、ラボサイドで模型製作することが多いです。
お任せいただければ、担当技工士が適切なマテリアルの取り扱いで製作させていただきます。
適切な模型材の取り扱いでより良い治療となる事を願います。
ご不明な点や模型製作依頼がありましたら、弊社にお問合せ下さい。
加藤明のプロフィール⏬
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シンワ歯研関東支社HP⏬
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